雑記

島根県松江市立玉湯中学校(平成28年度スーパー食育スクール事業 事業結果報告書)

更新日:

取組テーマ(中心となるテーマ:食とスポーツ)

体力向上と連動した効果的な「食育プログラム」の開発とその効果検証

栄養教諭の配置状況

栄養教諭配置人数 0人

配置されていない場合の対応状況

松江市立玉湯小学校の栄養教諭と連携して事業を実施した。

実践内容

事業目標

H26 年度から玉湯小学校で取り組んでいた下記について、昨年度まで連携校であった玉湯中学校にも広めて実践し、食育推進地域内における食育の更なる充実を目指す。また、H26・27 年度の測定対象学年生徒(H28 年度中学校1年生)の測定・調査及びその保護者に対する調査等を実施し、食育及び体力向上に関する取組の効果を検証する。

① 「みそ汁摂取率向上」を中心とした朝食内容の改善

・中学校では、教科等の指導だけでなく、生徒会での活動を通して全校の食育に繋げる。
・家庭における食生活の改善状況調査による行動変容の把握や、「みそ汁の摂取習慣」が継続するような働きかけを行い、更なる朝食内容の充実を目指す。

② 給食摂食率の向上

・栄養教諭による給食指導や生徒会活動等を活用し、自己管理能力向上に対する働きかけから給食摂食率の向上を目指す。

③ 体力・運動能力の向上

・昨年度の課題として上がった「女子生徒の持久力向上の取組」「運動習慣づくり」を中心として、特に運動部に所属していない生徒への働きかけを行い、学校全体における体力・運動能力の向上を目指す。
①③については、生徒だけでなく、公民館を拠点として家庭や地域を巻き込んだ取組にも繋げ、推進地域全体のQOLの向上による健康増進を図る。

評価指標

昨年度までの測定・調査対象学年生徒の身体的指標・体力的指標・食生活関連指標に基づく実態把握や体力テスト等及びその保護者に対する実態把握調査等を行い、昨年度までの課題の改善状況や取組の定着度を評価する。
●身体的指標:肥満者の体脂肪率が減少し、肥満度が低下する。
●食生活関連指標
・各栄養素の摂取量が目標値(日本人の食事摂取基準2015 年版)を達成する。
・副菜及び緑黄色野菜摂取量が昨年度の摂取量と比較して増加する。
朝食摂取率:「毎日食べる」生徒の割合100%
バランスのよい朝食( 主食+ 主菜+ 副菜) を食べる生徒の割合:100%
給食残量:残量を減らす。
●体力的指標
・シャトルランの回数が昨年度と比較して増加する。
・男女ともに平均値が全国及び島根県の平均値を上回る。
身体活動量(歩数):全員が1日10,000 歩以上歩く。
昨年度と比較して、歩数が増加する。

評価方法

各測定・調査に関しては、昨年度までと同様の方法で実施
(1)形態計測及び身体組成測定
(2)食事調査
(3)身体活動状況測定
(4)新体力テスト
(5)アンケート
(6)みそ汁摂取に関する指導と実践

評価指標を向上させるための仮説(道筋)

・「朝食」や「具(実)だくさんみそ汁」に焦点を当て、ポイントを絞った食育を3年間継続して行うことによって、生徒のみならず、家庭の朝食内容及び栄養摂取状況が改善することに繋がるのではないか。
また、公民館を拠点として地域へも働きかけを行うことで、推進地域全体のQOLの向上による健康増進を目指す。
・「みそ汁摂取」「運動習慣づくり」に関する指導媒体やチャレンジシートなどを活用し、家庭や地域と共に進めることができるプログラムを整備・実践したり、その実践状況や行動変容を把握したりすることによって取組を定着させることを目指す。
・生徒会活動等を活用し、自己管理能力向上に対する働きかけから給食摂取率の向上を目指す。
・測定及び食生活・運動習慣調査等によって、「朝食内容の改善」「給食摂食率の向上」「運動習慣の確立」の効果について検証する。

実践内容

○具体的な取組
みそ汁摂取率向上を中心とした朝食内容の改善
「食育プログラム」として、本事業初年度、2年次に玉湯小学校で実施していた「具(実)だくさんみそ汁」を使った食育を玉湯中学校でも実施した。
また、「具だくさんみそ汁」については、公民館とも連携し、地域へも周知・啓発を行った。
・出前授業の実施(対象:全校生徒・保護者)
「素子先生に教えてもらおう 育ちざかりの『食』」
講師:早稲田大学 田口 素子 教授
・夏休みの課題:「目覚まし朝ごはんをつくろう」の取組
・玉湯公民館文化祭への出展:「具(実)だくさんみそ汁」の啓発
・給食での取組:「みそ汁週間」の実施
・「わくわくもりもり朝ごはんレシピ集」の配付
・教科等(学級活動・家庭科)での指導
給食摂食率向上の実践
連携校の栄養教諭が定期的に各学級を訪問し、指導を行った。
体力・運動能力向上の実践
運動習慣づくりを目的とした「SSSダンス」普及を中心に取り組んだ。
・出前授業の実施(対象:全校生徒・保護者)
「島根大学から発信 SSSダンスワークショップ~キレッキレダンスの魔法にかかってみませんか?~」
講師:島根大学 原 丈貴 准教授、島根大学生
・全校シャトルランの実施(年3回)
・ロードレースの実施
その他の食育活動
・まがたま食育便発行(随時)
・2016年度特別編まがたま食育便(早稲田大学作成リーフレット)発行

成果

平成26・27 年度と同時期に下記項目について測定・調査を実施し、生徒の身体的状況等の変化を検証した。
○身体的指標
・H27 からH28 までの変化量(男子:身長6.1 ㎝、体重5.0 ㎏、女子:身長3.9 ㎝、体重3.1㎏)を全国平均値の変化量(男子:身長7.5 ㎝、体重5.5 ㎏、女子:身長5.0 ㎝、体重4.6㎏)と比較すると、男女とも同程度であり、対象者の身長、体重の発達は平均的な水準であったと考えられる。
・肥満者の体脂肪については人数及び体脂肪率に変化は認められなかった。
(男子(1 名):36.3%→33.9%、女子(5 名):45.2%→45.1%)
○食生活関連指標
・栄養素摂取量の変化については、男子では、初年度(H26)と比較し、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム摂取量が有意に増加した。
(エネルギー:2023kcal →2278kcal、たんぱく質:74.3g→88.3g、脂質:67.9g→79.7g、炭水化物:270.9g→294.2g、カルシウム:656mg→814mg)
・統計的手法により、副菜摂取量は、女子が初年度と比べて有意に増加したことが検証され
た。
・食生活調査結果では、初年度、2年次と比較して、朝食摂取率が初年度より向上した。(85.4%→90.2%→88.6%)朝食内容については、2年次、3年次ともに改善がみられた。
(主食+主菜+副菜を揃えて食べている人:26.8%→31.7%→31.8%)
・今年度6 月と11 月に実施した朝食内容調査では、全学年とも「3品以上食べる」と回答した生徒が増加した。中でも、3 年生の増加率(17.7 ポイント)が高かった。
・給食摂食率については、2回目の調査時期がインフルエンザの流行時期と重なったため、大きな変化は見られなかった。
○体力的指標
・新体力テスト(20m シャトルラン)の結果は、男子が昨年度に引き続き全国平均値(72 回)の結果を上回っていた(74 回)ものの、女子は下回っていた(全国平均値:53 回、H28:43 回)。
・身体活動量測定結果では、平日の歩数は初年度と比較して男女とも減少(男子:14,906 歩→13,454 歩、女子:10,889 歩→10,654 歩)したが、3Mets・4Mets 以上の運動時間は2 年次と比較して増加(3Mets 以上の運動時間 男子:108 分→178 分、女子:73 分→115 分。4Mets 以上の運動時間 男子:49 分→157 分、女子:22 分→82 分)が認められた。測定・調査結果によって生徒の健全な発育・発達が認められるとともに、「みそ汁」にテーマを絞った食育は、生徒のみならず保護者の意識を向上させ、朝食内容の改善をはじめとする生徒の食生活の質の向上に繋がった。

スーパー食育スクール事業の取組状況の情報発信

【地域対象】「まがたま食育便(SSS取組情報)」「わくわくもりもり朝ごはんレシピ集」の発行
公民館活動との連携
【広域対象】ホームページへの掲載、事業内容周知・広報用クリアファイルの配付
「2016年度特別編まがたま食育便(早稲田大学作成リーフレット)」の配布

今後の課題

【学校】本事業の取組内容を継続させ、生徒の「食」に対する意識が持続するような働きかけをすることで、より一層の食育推進を図る。
【家庭・地域・県内】3年間の取組の成果を周知することにより、保護者のみならず、県民の健康増進に繋げる。また、県民等への効果的な周知方法について検討し、他機関と連携を図るとともに周知・啓発に努める。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/15/1389285_007.pdf

スポンサーリンク

Pick Up

1

目次1 調理場の運営方式2 単独校方式2.1 メリット2.2 デメリット2.3 検討事項3 センター方式3.1 メリット3.2 デメリット3.3 検討事項4 親子方式、小規模センター 調理場の運営方式 ...

統計 2

食育に限らず、アンケートを行う場合、有意差や相関性を調べたい。ということがあると思います。 そのためには統計学を勉強する必要がありますが、Σやら自由度やら難しい言葉がたくさんあって、とっつきにくいです ...

食物アレルギー栄養指導の手引き2017 3

食物アレルギー栄養指導の手引き2017が完成しました。 前回が2011でしたので、6年ぶりの更新になります。 目次1 食物アレルギー栄養指導の手引き2017とは?2 手引きは誰のために書かれている?医 ...

-雑記
-

Copyright© nutr.net  , 2018 AllRights Reserved.