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栄養教諭とは?栄養教諭と学校栄養職員の違いは?

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平成17年度に設立された、新しい教員です。この時期は食育基本法ができた時期とも重なり、「食育」という言葉も広く認知されるようになってきました。

そして学校教育法の改定時には栄養教諭の表記の追加の他、副校長、主幹教諭、指導教諭も追加されました。

従来の学校栄養士・学校栄養職員に加えて「教員」の資質が「栄養教諭免許」によって担保されたものです。

従来の学校栄養士・学校栄養職員の職務である給食管理(栄養管理・衛生管理)、食に関する指導(食育)に加えて個別指導(肥満、偏食、食物アレルギー)や、学級担任をはじめとする教職員との連携、保護者や地域との連携といったコーディネートといったことも職務になってきます。

栄養教諭の法的根拠をもとに解説していきます。

栄養教諭の配置と職務 学校教育法 第三十七条(小学校) 第六十七条(中学校)

小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。
2 小学校には、前項に規定するもののほか、副校長、主幹教諭、指導教諭、栄養教諭その他必要な職員を置くことができる。
13 栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる。

この条項からわかることは栄養教諭は「置かなければならない」と記述されていないので、必置義務はありません。学校栄養職員・学校栄養士も同様です。

2項には栄養教諭その他必要な職員を置くことができるとありますので、必要に応じて学校に配置されることになります。

ちなみにその他必要な職員には学校栄養士・学校栄養職員が含まれます。

学校栄養士・学校栄養職員は学校教育法に記述すらされていません。

中学校においては同様の記述が第六九条にあります。

栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭 学校教育法 第二十七条

11 学校の実情に照らし必要があると認めるときは、第七項の規定にかかわらず、園長(副園長を置く幼稚園にあつては、園長及び副園長)及び教頭を助け、命を受けて園務の一部を整理し、並びに幼児の養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を置くことができる。

現在はおそらく1人も配置されていませんが、学校教育法には「栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭」という記述があります。

どの自治体も「どのような場合に栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を設置したらいいのか?」と模索中なので、どこかの自治体が配置をして、モデル的なものができない限り配置は進まないと思われます。

 

校長の資格要件に栄養教諭が加わる 学校教育法施行規則 第八条

校長(学長及び高等専門学校の校長を除く。)の資格は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
一教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)による教諭の専修免許状又は一種免許状(高等学校及び中等教育学校の校長にあつては、専修免許状)を有し、かつ、次に掲げる職(以下「教育に関する職」という。)に五年以上あつたこと

ロ学校教育法第一条に規定する学校の教授、助教授、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、講師(常時勤務の者に限る。)及び同法第八十二条の二に規定する専修学校の教員(以下本条中「教員」という。)の職

栄養教諭は学校教育法施行規則第八条の一項のロに該当するので、栄養教諭を5年以上経験していれば、校長の資格要件を満たすことになり、校長に登用されることもあるという解釈ができます。

栄養教諭が校長になった例はまだ聞いたことがありませんが、教頭になった例ならあります。

教員の定義に栄養教諭が加わる 学校基本調査規則 第三条

この省令で「教員」とは、学校の長、副学長、学部長、教授、助教授、助手、講師、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭及び栄養教諭並びに専修学校及び各種学校の教員をいい、「職員」とは、学校の職員で教員以外のものをいう。

学校基本調査規則によると、栄養教諭は「教員」ですが、学校栄養職員・学校栄養士は「職員」になります。

学校基本調査の統計上、栄養教諭は教員でカウント、学校栄養職員・学校栄養士は職員としてカウントされます。

教員の定義に栄養教諭が加わる 学校教員統計調査規則 第三条

2 この省令で「教員」とは、学校の長、副学長、学部長、教授、助教授、助手、講師、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭及び実習助手並びに専修学校及び各種学校の教員をいう。

学校教員統計調査規則では栄養教諭は「教員」といいますが、学校栄養職員・学校栄養士は定義すらされていません。

教員の定義に栄養教諭が加わる+大学院就学休業等も適応される 教育公務員特例法

第二条
2 この法律において「教員」とは、公立学校の教授、准教授、助教、副校長(副園長を含む。以下同じ。)、教頭、主幹教諭(幼保連携型認定こども園の主幹養護教諭及び主幹栄養教諭を含む。以下同じ。)、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師(常時勤務の者及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める者に限る。第二十三条第二項を除き、以下同し。)をいう。

教育公務員特例法の教員の定義に栄養教諭が加わったことにより、当該法の他の条項も栄養教諭に適応されます。

  • 第11条(採用及び昇任の方法)
  • 第13条(校長及び教員の給与)
  • 第14条(休職の期間及び効果)
  • 第17条(兼職及び他の事業等の従事)
  • 第18条(公立学校の教育公務員の政治的行為の制限)
  • 第21条(研修)及び第22条(研修の機会)
  • (第26条から第28条まで)大学院修学休業に係る規定

しかし初任者研修(第23条)及びそれに伴う条件附任用期間の特例(第12条)並びに十年経験者研修(第24条)の規定については、養護教諭と同様に栄養教諭には適用されません。

特に大学院就学休業が適応されることは大きいです。

逆に考えれば学校栄養職員・学校栄養士は大学院就学休業ができません。

教職調整額が栄養教諭に適用 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法

第二条
2 この法律において、「教育職員」とは、義務教育諸学校等の校長(園長を含む。次条第一項において同じ。)、副校長(副園長を含む。同項において同じ。)、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、助教諭、養護助教諭、講師(常時勤務の者及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める者に限る。)、実習助手及び寄宿舎指導員をいう。
(教育職員の教職調整額の支給等)
第三条 教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。以下この条において同じ。)には、その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。

2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。

栄養教諭に教職調整額が支給されると同時に時間外勤務手当や休日勤務手当が支給されなくなります。

学校栄養職員・学校栄養士は逆で教職調整額が支給されませんので時間外勤務手当や休日勤務手当が支給されます。

振替休日のとり方が栄養教諭と学校栄養職員で違う

例えば土曜日が授業参観で月曜日が振替休日の場合、月曜~土曜日の勤務6日になりますので週40時間を超えますので、学校栄養職員なら超過勤務が発生します。

この場合は超過勤務手当を出したくない自治体の場合は振替休業を月~金曜日の間にとってもらって、その週の勤務を5日にします。

そして学校の振替休業日に出勤してもらう(または年休をとってもらう)ことがあります。

栄養教諭なら他の教員と同様、週40時間の縛りがありませんのでこのような措置はとられません。

 

教員なので超過勤務手当は発生しないので残業し放題?

最近「働き方改革」という言葉をよく耳にしますが、学校現場の教員の残業の量は増える一方です。

上記の法律により、教員には残業代が支給されないので、学校側としては教員に残業をさせ放題?と感じてしまいます。

しかし、残業を命じるには条件があります。

  1. 「正規の勤務時間をこえて勤務させる場合は,文部大臣が人事院と協議して定める場合に限る」(6 条1 項)
  2. 地公法58 条3 項を読み替え, 教師には労基法33 条3 項を適用し, 「公務のために臨時に必要」な場合は時間外・休日労働を命じ得る(5 条)
  3. 「俸給月額の百分の四に相当する額の教職調整額を支給する」(3 条1 項)
  4. 時間外勤務手当および休日勤務手当は支給しない(3 条2 項)。労基法37 条の適用を除外する(5条)

つまり「公務のために臨時に必要な場合」以外は残業を命じてはいけません。

この「公務のために臨時に必要な場合」の解釈もあります。

文部省訓令28 号「教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合に関する規程」

原則として「正規の勤務時間の割振りを適正に行い,原則として時間外勤務は命じない」(3 条),

例外として残業を命じ得るのは,

  • 生徒の実習
  • 学校行事
  • 教育実習の指導
  • 教職員会議
  • 非常災害等やむを得ない場合

の5 項目のいずれかに該当し, かつ「臨時又は緊急にやむを得ない必要があるときに限る」(4 条)。

 

ここでいう「学校行事」とは学習指導要領に定めるものに相当する「学芸的行事, 体育的行事および修学旅行的行事」, 「非常災害等」の「等」とは「児童・生徒の負傷疾病等人命にかかわる場合」と「非行防止に関する児童・生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする」場合とされています。

栄養教諭は残業できない?

献立作成、食育指導資料の作成、指導案作成、食育掲示資料作成等は上記5項目に含まれませんので、残業を命じることはできません。

ですので、残業を「命ぜられる」のではなく「サービス残業」になります。

学校栄養職員・学校栄養士の場合は事務職員に準ずるので献立作成等で残業の場合は超過勤務手当が発生します。

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