栄養管理

最低限知っておきたい食べ物と薬の相互作用(食べ合わせ)

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食べ物の栄養成分も薬(医薬品)の成分も口から入り、各器官で消化・吸収され、様々な作用をします
そのため、お互いに影響を受けやすいです。(相互作用しやすいです。)

作用機序を知ることにより、相互作用を理解していきましょう。

目次

食べ物と薬の相互作用を受けやすい人は?

  • 慢性疾患(糖尿病や高血圧など)で複数の薬物療法を行っている患者
  • 小児や高齢者
  • 遺伝的に変異をもつ個人
  • 栄養不良状態の個人

などです。身の回りにこういった人がいる場合は知っておくといいかもしれません。

内服薬の体内でたどるルートは?

  1. 吸収 おもに小腸から吸収され、肝臓を経由して血液中に入ります。
  2. 分布 血液にのって体内を移動し、作用させたい部位にたどりつきます。つまりこのときに薬が組織・細胞にたどり着き、効果を現します。
  3. 代謝 役目を終えた薬の成分は肝臓で分解されます。
  4. 排泄 腎臓でろ過されて尿中に排泄されたり、糞便、唾液、汗、乳汁などからも排泄されたりします。

脂肪が多い食品と油に溶けやすい薬の組合せで吸収促進、吸収増加

バター、ベーコン、マーガリン等の高脂肪食品、牛乳などの油に溶けやすい薬を同時に摂取すると薬が脂とくっついて、吸収されやすくなります。

油に溶けやすい薬の例

  • 抗真菌薬グリセオフルビン
  • 骨粗鬆症治療用ビタミンK製剤メナテトレノン
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬インドメタシンファルネシル
  • 催眠鎮静薬クアゼパム など

グレープフルーツ(ジュース)とカルシウム拮抗薬の組合せで吸収促進、吸収増加

薬は体にとって異物なので、排除されるようになっています。

肝臓には毒(薬)を代謝(中和)する作用が体にはあります。薬はこの作用を見込んで有効成分を配合しています。
例えば100の薬の成分を入れると80中和されて、有効成分は20しか残らないことがわかっていると、それを逆算して配合します。

グレープフルーツの成分は特定の薬の中和作用を阻害(妨害)しますので、本来は100あるうちの20しか吸収されない計算で多目に配合したのに、余計に吸収してしまうということになり、吸収しすぎることになってしまいます。

グレープフルーツが作用

循環器系作用(カルシウム拮抗薬)

  • アゼルニジピン
  • アムロジピンベシル酸塩および配合剤
  • アラニジピン
  • エホニジピン塩酸塩
  • シルニジピン
  • ニカルジピン塩酸塩
  • ニソルジピン
  • ニトレンジピン
  • ニフェジピン
  • ニルバジピン
  • バルニジピン塩酸塩
  • フェロジピン
  • ベニジピン塩酸塩
  • ベラパミル塩酸塩
  • マニジピン塩酸塩

免疫抑制薬

  • エベロリムス
  • シクロスポリン
  • タクロリムス水和物
  • HMG-COA
  • 還元酵素阻害薬
  • アトルバスタチンカルシウム水和物

抗血小板薬

シロスタゾール

抗てんかん薬

カルバマゼピン

抗がん薬

  • イマチニブメシル酸塩
  • イリノテカン塩酸塩水和物
  • エルロチニブ塩酸塩
  • ゲフィチニブ
  • スニチニブリンゴ酸塩
  • ダサチニブ水和物
  • タミバロテン
  • ニロチニブ塩酸塩水和物
  • ラパチニブトシル酸塩水和物

抗HIV薬

サキナビルメシル酸塩

食べ物によって薬が胃から小腸へ移行する速度が低下して、薬の吸収が遅延する

胃の中に食べものが詰まっていることにより、食べものにじゃまされて吸収が遅くなり、利き目がゆっくりになる場合があります。
即効性がほしい薬などでは悪影響がでる場合があります。

食べ物が胃にあると影響をうけることがある薬物

  • 速効型食後血糖降下薬ナテグリニド
  • 抗菌薬エリスロマイシン
  • 抗結核薬リファンピシン
    など

牛乳のカルシウムやマグネシウムが作用する

食品に含まれるカルシウムやマグネシウムが薬とくっついてしまい、薬の成分が粘膜を通過できいことがあります。
牛乳だけでなく、カフェオレなどでも作用します。

牛乳等の影響をうけることがある薬物

  • ビスホスホネート系骨粗鬆症治療薬
  • 抗生物質テトラサイクリン塩酸塩
  • ニューキノロン系抗菌薬ノルフロキサシン
    など

アルコールと一緒に摂ると利きすぎる

肝臓の酵素を減らす食品であるアルコール等と一緒に薬物をとると、肝臓の解毒作用で薬の成分が中和されないので、吸収しすぎます。
先ほどのグレープフルーツの項と同じ原理です。

アルコールと一緒に摂ると利きすぎることがある薬物

  • 免疫抑制薬シクロスポリン
  • 高血圧症・狭心症治療薬ニフェジピン
  • 抗てんかん薬フェニトイン
  • 抗血液凝固薬ワルファリンカリウム
  • 経口血糖降下薬トルブタミド
  • グリベンクラミド など

高たんぱく質のものと食べると利きにくくなる

グレープフルーツ、アルコールとは逆に、酵素を増やす食品である高たんぱく質食や炭焼きした食品と薬を一緒にとると、酵素が増えすぎて、中和してしまい薬が効きにくくなります。

高たんぱく質のもの摂取すると利きにくくなることがある薬物

気管支拡張薬テオフィリン など

 

アルコールを長期間、常飲していると利きにくくなる

アルコールを長期間飲み続けていると、解毒(中和)する酵素が増えているので、薬も中和する力が強くなっていて、薬が効きにくくなります。

アルコールを長期間、常飲していると利きにくくなることがある薬物

  • 経口血糖降下薬トルブタミド
  • 抗てんかん薬フェニトイン
  • 抗血液凝固薬ワルファリンカリウム
  • 解熱鎮痛薬アセトアミノフェン など

アルコールと睡眠薬等、脳神経への作用の相乗効果がある

脳活動の低下作用が重なるため、だるさ、ねむさ、意識不明などの作用が出る場合があります。

アルコールと睡眠薬等、脳神経への作用の相乗効果がある薬

  • 睡眠薬(トリアゾラム、クアゼパム、ラメルテオンなど)
  • 抗うつ薬(ミルタザピン、デュロキセチン、塩酸セルトラリンなど)
  • 解熱鎮痛薬(アスピリン、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物など)
  • 抗アレルギー薬・鼻炎薬(クレマスチンフマル酸塩など)
  • かぜ薬(PL配合顆粒) など

アルコールと糖尿病治療薬で低血糖になる

肝臓の処理能力を超えてアルコールを飲むと、肝臓の機能が一時的に弱くなります。
肝臓には解毒(中和)以外にも新しくブドウ糖を作る糖新生という働きがあります。
この糖新生の作用が弱くなることにより、血糖が下がり、さらに糖尿病治療薬により血糖を下げてしまうと低血糖になります。

アルコールと糖尿病治療薬で低血糖になることがある薬

  • 経口糖尿病治療薬
  • インスリン製剤

栄養の作用と薬の作用が真逆(ビタミンKとワルファリンカリウム)

一番有名な相互作用です。
抗血液凝固薬であるワルファリンカリウムと、血液凝固因子であるビタミンKが逆の作用をしまします。
大量にビタミンKを含む納豆を摂取することにより、薬の作用が低下します。

ビタミンKを多く含む食品

納豆、青汁、健康食品のクロレラ、緑黄色野菜など。

 

医薬品情報については政府機関のホームページで確認する

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)で薬名を検索すると、こういった情報が公開されています。
http://www.pmda.go.jp/

参考文献

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