栄養管理 雑記

学校給食は本当に栄養バランスがとれているの?そもそもバランスの根拠は?

投稿日:

学校給食は栄養バランスが取れている食事であると言われていますが、本当でしょうか。学校給食の「栄養バランス」を様々な角度からみていきましょう。

スパゲティにパンなど炭水化物かぶりの献立がたまにあるけど本当に栄養バランスがとれているの?

学校給食ではスパゲティや焼きそば、リゾットなどの献立の時にパンが付くことがあります。

献立でいうとパン、麺、サラダ、牛乳のようにいわゆる「炭水化物ばっかり!」といった感じ。
サラダだったらまだいいのですが、パン、牛乳、スパゲティ、フルーツポンチという組み合わせもよく見られます。

パン、牛乳、スパゲティ、フルーツポンチ、コーンの給食献立

では実際にYahooで検索してみましょう。

https://search.yahoo.co.jp/image/search?ei=UTF-8&aq=-1&ai=qOSdgvhdQnq8cnKrAoWh5A&ts=7915&p=%E7%B5%A6%E9%A3%9F+%E3%83%91%E3%83%B3+%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%B2%E3%83%86%E3%82%A3&meta=vc%3D&fr=sfp_as

学校給食は栄養バランスが取れているはずなのに、この給食はおかしい!と思ってしまうのも無理はありません。

なぜこのような明らかに「栄養バランス」が悪そうな給食がでてくるのでしょうか

それは学校給食に限らず、栄養士が計算する「栄養バランス」は一定期間の平均値のことだからです

学校給食なら1か月、例えば20回給食があると20回の平均値のバランスがとれていれば「栄養バランスが取れている」と判断されます

このパン、牛乳、スパゲティ、フルーツポンチの場合はこの日は栄養バランスよりも子どもの嗜好性を重視したものと思われます。

学校給食では毎食、すべての栄養素を100%計算されて作られているように思われがちですが、実はそうではなくて、今日は鉄分が多い日、今日はカルシウムが多い日のようにいろいろな日があります。

揚げパンのように子どもが好きな献立の日、お祝いなので苦手だけど食べてほしい赤飯の日などいろいろな日があります。

しかし実際は去年通りの献立の使いまわし、若年の栄養士の作成献立、ベテラン栄養士のマンネリ化した献立作成の場合もありますし、ペーパー栄養士の古い知識での献立作成の場合もあります

おかしいな?と思ったら遠慮せずに給食の献立を作っている栄養士さんに聞いてみましょう。

返答もおかしいな?と思ったら特になにも考えずに献立を作っているのかもしれません。

そもそも学校給食の「栄養バランス」の基準は何?

「学校給食の栄養バランスの基準を述べよ。」と言われたら学校の給食なので文部科学省(以下文科省)が作ってそうですね。

つまり学校給食の栄養バランスの根拠は文科省の基準です。

各栄養素が基準値近辺の値だと「栄養バランスがいい」ということになります。

前述しましたが、1食の給食の栄養バランスだけではなく、1か月の平均で見ることがほとんどです。

文科省の基準の栄養バランスはどんなもの?

文科省の給食の栄養バランスを示す基準は「学校給食摂取基準」と言われています。

栄養の基準値はざっと9つあります。

  1. エネルギー(カロリー) :1日の必要量の1/3。
  2. たんぱく質 :総エネルギ摂取量ーの12~20%。
  3. 脂質 :総エネルギー摂取量の25~30%。
  4. ナトリウム(食塩相当量):1日の33%未満
  5. カルシウム 1日当たりのおよそ50%
  6. 鉄 : 1日の1/3。鉄の摂取は、家庭はもとより学校給食においても容易でないことから、学校給食においては献立の創意工夫を行い、摂取の確保に努めること。
  7. ビタミン類 :1日1/3。ただし、生徒については、ビタミンAの摂取量が不足している実態から、推奨量の33%から40%に基準値を変更。ビタミンB1及びビタミンB2については、1日40%とした。
  8. 食物繊維 :8g/1,000kcal程度。
  9. マグネシウム及び亜鉛 :マグネシウムは1日50%、亜鉛については、33%。

文部科学省 学校給食実施基準の一部改正について 24文科ス第494号 より

 

ざっくりいうと

だいたいの栄養は1日に必要な量の1/3を基準にしている。
不足しやすいものは40%とか50%にしている

ということです。

学校給食は栄養バランスがよいというか、栄養がありすぎて太ってしまう?

給食で太ってしまったという話をよく聞きます。

まず太るということは

消費エネルギー(カロリー) < 摂取エネルギー(カロリー)

ということです。

鉄分やビタミンをとりすぎて太るということはあり得ません。

上記の文科省の学校給食実施基準より、給食のエネルギー(カロリー)は決まっており、小学校3・4年生なら660kcal程度というようになっています。

660kcal程度なら太ってしまうことはまずないと考えられます。

中学校は850kcal程度となっているので、小柄な生徒や、運動習慣等によっては太ってしまうかもしれません。

もちろん先生は成長期ではないので、中学生の量を食べ続けるとエネルギー(カロリー)過剰になるかもしれません

しかし給食だけが原因で太るということはおかわりをし続けない限りあり得ません。

給食は1日の1/3のエネルギー(カロリー)しか提供していませんので、2/3は家庭での食事や間食です。しかも毎日あるわけではありません。

1年間の給食実施日を200日と計算した場合(土日夏休みを除くと最大で200日くらい)、食事の回数は365日×3食=1095食です。

1095食の内、給食は200食なので、200÷1095≒18.2%となり、肥満の原因であるエネルギー(カロリー)の8割以上は家庭でとっていることになります。(統計学では寄与率といいます)

ということで肥満の原因は給食ではありません

自分の生活習慣が原因ではなく、他人のせいで自分は太っているという発想自体が肥満体質ですね

誰が給食を考えている?誰が考えてもよい?

学校給食法という法律があり、そこに「栄養士の免許を有する者で学校給食の実施に必要な知識若しくは経験を有するものでなければならない。」という記述があります。

つまり考えているのは100%栄養士です。

しかも「学校給食の実施に必要な知識若しくは経験を有するもの」です。

しかし実際は1年間雇用の非常勤栄養士が献立をたてる場合もあり、新卒の栄養士が考える場合ももちろんあります。ペーパー栄養士が考える場合もあります。

100%栄養士が考えていますが、「学校給食の実施に必要な知識若しくは経験を有するもの」があるかどうかは各自治体の採用方法によると思われます

つまり学校給食は栄養バランスがよいの?

結論からいうと、1か月単位でみると栄養バランスがよい可能性が高いです。

しかし1日単位でみると「変な給食」と思われるものがあったり、栄養バランスがおかしいと思うものがあったりする場合も多々あると思います。

それは献立を考えている栄養士にも個人差(当たり外れ)があるからです。

医師や教員にも当たり外れがあるように、栄養士にも当然あります

もし「外れ」と感じたら耐え忍ぶのではなく、どこが「外れ」なのか具体的に質問を投げかけてみましょう。

個人ではなく、PTA等組織で質問することをお勧めします。

スポンサーリンク

Pick Up

1

目次1 調理場の運営方式2 単独校方式2.1 メリット2.2 デメリット2.3 検討事項3 センター方式3.1 メリット3.2 デメリット3.3 検討事項4 親子方式、小規模センター 調理場の運営方式 ...

統計 2

食育に限らず、アンケートを行う場合、有意差や相関性を調べたい。ということがあると思います。 そのためには統計学を勉強する必要がありますが、Σやら自由度やら難しい言葉がたくさんあって、とっつきにくいです ...

食物アレルギー栄養指導の手引き2017 3

食物アレルギー栄養指導の手引き2017が完成しました。 前回が2011でしたので、6年ぶりの更新になります。 目次1 食物アレルギー栄養指導の手引き2017とは?2 手引きは誰のために書かれている?医 ...

-栄養管理, 雑記

Copyright© nutr.net  , 2018 AllRights Reserved.