栄養管理 雑記

学校給食のカルシウムは牛乳頼り?そもそもカルシウムは不足している?

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学校給食では毎日牛乳がつきます。これはカルシウムをお手軽にとるための手抜きではないでしょうか?!

様々な角度から学校給食のカルシウムについて調べていきましょう。

1日に必要なカルシウムは?

まずは国の基準を作っている、厚生労働省が示している1日に必要なカルシウム量を知りましょう。

厚生労働省では「日本人の食事摂取基準2015年版」という形で1日に栄養バランスを示しています。

必要なカルシウムの量もこの中で示されています。

この中で各年齢、男女別に示していて、以下のようになっています。

 

カルシウム

(推奨量)

6~7(歳) 583mg 539mg
8~9(歳) 641mg 749mg
10~11(歳) 707mg 722mg
12~14(歳) 986mg 804mg
15~17(歳) 797mg 665mg
18~29(歳) 778mg 663mg
30~49(歳) 667mg 660mg

 

この推奨量とは、「ほとんどの人が充足している量」のことです。

つまり多くの人にとってはそこまでとる必要のない量です。

推奨量をとらなければカルシウムが不足してしまうということではありません。

 

ちなみに牛乳瓶1本(200ml)に含まれるカルシウムの量は227mgとなっています。

 

背を高くするために毎日1リットルの牛乳を飲んでいます!

カルシウムをとりすぎると過剰症といって、摂りすぎによる悪影響がでます。

その代表として、カルシウムの過剰にとってしまうと便秘をしてしまうことがあります。

また、余ったカルシウムは尿中に排出されるので、その過程で様々な悪影響がでるようです。

高カルシウム血症、高カルシウム尿症、泌尿器系結石、前立腺がんなどがそれにあたります。

他にもカルシウムは他のミネラルとも競合しますので、鉄や亜鉛の吸収障害が起こることがあります。

硬くなってはいけない骨も硬くなって、軟組織の石灰化が起こることもあります。

もちろん身長が伸びるとは限りません。

牛乳にはカルシウム以外にもたんぱく質、脂質も多いのでこれらも過剰になってしまいます

どんな栄養もバランスと適量が大事ですね。

学校給食1食のカルシウム基準は?

学校給食1食の栄養バランスは「学校給食摂取基準」というもので示されています。

その中にカルシウム量の基準も記されており、

6~7(歳)300mg

8~9(歳)350mg

10~11(歳)400mg

12~14(歳)450mg

となっています。

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/__icsFiles/afieldfile/2013/03/21/1332086_1.pdf

 

実際の学校給食のカルシウム量は?

文部科学省の調査で「学校給食栄養報告」というものがあり、総務省 統計局のページで公開されています。

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016938

最新の学校給食のカルシウム量の報告書は平成27年度のもので、小学校は平均343.6mg、中学校は384.1mgとなっています。小学校、中学校ともに文部科学省のカルシウムの基準よりも若干低くなっています。

 

学校給食のカルシウムは牛乳頼り?

学校給食では毎日牛乳が出されるので、牛乳1本分のカルシウム、227mgもここに含まれます。

先ほどの小学校の給食では平均して343.6mgのカルシウムが提供されていますので、

 

牛乳以外の給食でのカルシウム量は 343-227=116mg

ということがわかります。

 

つまり、学校給食のカルシウムでは2/3が牛乳に依存しているということがわかります。

逆に牛乳がなくなると116mgしかカルシウムをとることができないということがわかります。

なぜ学校給食には毎日牛乳がつく?

カルシウムをお手軽にとることができるため。ではなく、文科省の基準によるものです。

「学校給食摂取基準の策定について」という文科省の報告があり、この中に「学校給食の標準食品構成表」というものがあり、「給食1食あたり206gの牛乳をつけなさい」という意味の内容が書かれています。(牛乳200ml=206g

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/__icsFiles/afieldfile/2013/03/21/1332086_2.pdf

 

さらに「学校給食法施行規則」というものがあり、

2  完全給食とは、給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食をいう。

3  補食給食とは、完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食をいう。

4  ミルク給食とは、給食内容がミルクのみである給食をいう。

という記述があります。

つまり牛乳をださないと法律上の「学校給食」ではなくなります

(及びはandの意味なので、またはという意味ではありません。)

栄養改善を進めていた戦後なら納得できますが、現在も現役でこの法律が生きているので従わないといけません

 

給食から牛乳をなくすことができない(選択制にできない)大きな理由としては現在の牛乳の生産体制にあります。

法改正等により「来年から牛乳をつけてもつけなくてもいいよ」となると牧場、工場等の生産ラインに大打撃をうけてしまいます

多くの酪農家や中小の企業はつぶれてしまうことが容易に予想できます。

同様のことがパンでもいえます。米飯給食を推奨しても、0にできないのはパン業界への打撃が大きいからです。

日本のカルシウムの基準値は推奨量であり「ほとんどの人が充足している量」です

多くの人が取りすぎている推奨量を基準にしているのは「カルシウムは不足していないといけない」からです

行政は酪農家・乳製品業界保護、メディアは広告主である乳産業を支援、議員は農協等の団体の得票数獲得、とこの体制を支持する力が強すぎるので今後とも続くと思われます。

総括すると大人の事情で子どもはだまって牛乳を飲みましょうということです。

ひっくり返すにはかなりの力が必要です。

給食を作っている担当者レベルでは解決は難しいと思われます。

中止までにはしなくて、選択制にしてもいいなかと思います。

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