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学校給食のカロリーは適切?体格も性別も違うのに同じ量?

更新日:

野球部でバリバリ運動している男子と、茶道部で女子では両者とも同じエネルギー(カロリー)の給食を提供されているのでしょうか。

学校給食のエネルギー(カロリー)は文科省の基準で決まっていますが、この基準は万人向けでしょうか。

その根拠を詳しく調べていきます。

 

そもそも一日に必要なエネルギー(カロリー)はどれくらい?

厚生労働省が日本人の1日に必要なエネルギー(カロリー)の参照値を5年ごとに公表しています。それが以下の表になります。

年齢別に示してあり、男女差もあります。

1日に必要なエネルギー(カロリー)一覧

6~7(歳)

小学校

低学年

1550kcal 1450kcal 100kcal
8~9(歳)

小学校

中学年

1850kcal 1700kcal 150kcal
10~11(歳)

小学校

高学年

2250kcal 2100kcal 150kcal
12~14(歳)

中学校

2600kcal 2400kcal 200kcal
15~17(歳)

高校

2850kcal 2300kcal 550kcal
18~29(歳) 2650kcal 1950kcal 700kcal
30~49(歳) 2650kcal 2000kcal 650kcal
50~69(歳) 2450kcal 1900kcal 550kcal

小学校の低学年では男子の方が女子より100kcalたくさん食べないといけないことがわかります。

高校にもなると男女差は550kcalになるので、男女が同じ量を食べていたら女子が太ってしまいそうですね。

 

「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書 II  各論  エネルギー より

 

では学校給食のエネルギー(カロリー)の基準は?

文部科学省が基準を作っています。

様々な調査研究により、エネルギー(カロリー)は1日のだいたい1/3程度ということになっています。

小学生の給食1食のエネルギー(カロリー)

低学年(1〜2年生・6〜7歳):530kcal

中学年(3〜4年生・8〜9歳):640kcal

高学年(5〜6年生・10〜11歳):750kcal

中学生の給食1食のエネルギー(カロリー)

12〜14歳:820kcal

 

文部科学省 学校給食実施基準 より

 

 

様々な調査研究の詳細は

文部科学省 学校給食摂取基準の策定について(報告)  を参考にしてください。

 

 

実際の学校給食では何カロリーの給食が出されている?

文部科学省の調査で「学校給食栄養報告」というものがあり、総務省 統計局のページで公開されています。

最新の学校給食のカロリーの報告書は平成27年度のもので、小学校は平均624.7kcal、中学校は776.9kcalとなっています。

小学校、中学校ともに文部科学省のエネルギー(カロリー)基準よりも若干低くなっています。

学校給食のエネルギー(カロリー)は適切?体格も性別も違うのに同じ量?

今までの結果より、学年が上がるにつれて1日に必要なエネルギー(カロリー)の男女差が大きくなっていくことがわかりました。

また、運動部と文化部では消費エネルギー(カロリー)も違います。

もちろん体格によっても違います。

しかし学校給食のエネルギー(カロリー)の基準値は1つです。

基準値が1つである理由は、基準値が各学齢の平均値を示しているので1つになっています。

1つのクラスで考えてみると

400kcal必要な人が10人

500kcal必要な人が10人

600kcal必要な人が10人

の30人在籍するクラスがあるとします。

このクラス全体に必要なエネルギー(カロリー)は

400×10 + 500×10 + 600×10 = 15,000kcal になります。

平均すると一人あたり500kcalになります。

全員500kcalの給食を食べると、400kcal必要な10人は太ってしまいますし、600kcal必要な人は痩せてしまいます

ではどうすればよいでしょうか。

答えは簡単です。

400kcal必要な人から100kcal分を500kcal必要な人に配分するだけです。

 

つまり

文部科学省の基準値は全員がこのエネルギー(カロリー)を食べなさい。という意味ではなく、「給食を作る人はこのエネルギー(カロリー)の量を作りなさい」という意味です

 

では誰が学校給食で適切なエネルギー(カロリー)を配分するの?

学級担任です。

では学級担任はエネルギー(カロリー)計算できる栄養士でしょうか。

まれにそういう学級担任もいるかもしれませんが、ほとんどの場合は違います。

この事実によって、「給食で太る」「給食で痩せる」ということが起こってきます。

残食を減らすために食べる子どもに食べられるだけおかわりさせて、肥満を助長することなど全国のどこでも起こっていることだと思います

学校給食の最終的な配分責任者は学級担任ですので、適正なエネルギー(カロリー)で提供された学校給食だとしてもエネルギー(カロリー)が偏ることは日常茶飯事であることを知っておくといいかもしれません。

子ども自身が自分の適量を知って、適量を食べることができることが食育の1つです。

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