
食物アレルギー栄養指導の手引き2017
食物アレルギー栄養指導の手引き2017が完成しました。
前回が2011でしたので、6年ぶりの更新になります。
目次
食物アレルギー栄養指導の手引き2017とは?
この手引きは
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 免疫アレルギー疾患等政策研究事業(免疫アレルギー疾患政策研究分野) 食物アレルギーに対する栄養・食事指導法の確立に関する研究
の一環で作成されています。
つまり国の研究事業です。
研究代表者はもちろん日本を代表する食物アレルギーの研究者である、海老澤 元宏先生です。
食物アレルギーがまだよくわかっていなかった時代に、アメリカから「食物経口負荷試験」を日本に持ってきた先生です。
内容としては尚、厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの栄養指導の手引き2011」から、6年経ったので、その間に進歩した食物アレルギー診療を反映して改訂されました。
記載内容は、日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2016」と、厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2014」に準拠しています。
手引きは誰のために書かれている?医者?
前文にこう書かれています。
食物アレルギー患者に対する栄養食事指導の役割は大きく、不可欠である
食物アレルギー患者は正しい診断にもとづいた必要最小限の食物除去を行いながら、〈適切な栄養素の確保〉 〈生活の質(QOL)を維持すること〉が求められる。
それはつまり「健康的で」「安心できる」「楽しい」食生活が送れることであり、栄養士はその支援・指導に関わることが期待されている。本手引きは、主に管理栄養士の食物アレルギーの栄養食事指導レベルの向上を目標に作成されているが、患者の生活に携わるすべての関係者の参考になると考える。
また、食物アレルギーの標準治療にもとづいた栄養食事指導の基本を示すものであり、個々の指導法の詳細を示すものではない。
つまり食物アレルギーの患者に接する栄養士が読まなければならないものです。
内容は?
1食物アレルギーの基礎知識
- 食物アレルギーとは
- 食物アレルギーの臨床型
- 食物アレルギーの症状
- アナフィラキシーとは
- 即時型食物アレルギーの疫学
- 食物アレルギーの予後
2食物アレルギーの診断・治療・管理
- 食物アレルギーの治療・管理の原則
- 食物アレルギーの診断
- 食物経口負荷試験とは
- 食物経口負荷試験の結果に基づいた食事指導
3食物アレルギーの栄養食事指導
4栄養食事指導のポイント
- 不必要な除去の確認
- 安全性の確保
- 食生活の評価・指導
- “食べられる範囲”の具体的な指導
- 保護者(患者)の不安への理解・支援
- 問題解決への基本的な面接技法と支援の手法
5原因食物別の栄養食事指導
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
- 大豆
- 魚
- 魚卵
- 甲殻類、軟体類、貝類
- ピーナッツ(落花生)
- 種実(ナッツ)類
- ゴマ
- 野菜、果物
- そば
- 肉
6加工食品のアレルギー表示
- 基本的な考え方
- アレルギー表示の対象と表示方法
- 義務表示と推奨表示
- 代替表記、拡大表記、特定加工食品
- 紛らわしい表示
- 特定原材料の代わりとなる表記
7保育所・幼児園・学校における対応
- 食物アレルギー対応の原則
- 生活管理指導表の「診断根拠、除去根拠」の捉え方
- 誤食事故を予防するためにできること
ダウンロード先
食物アレルギー研究会のページからダウンロードできます。