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食に関する指導の手引-第二次改訂版-(平成31年3月) 改訂ポイント

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食に関する指導の手引第二次改訂版が発行されました!
内容としてはその間に出された栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育(平成29年3月) などを集約した感じです。
学習指導要領改訂に伴い、内容が見直された部分も多いです。
食品ロスやアレルギー対応など、細かな部分の文言が変更されているのを確認しましょう。

食に関する指導の手びき第二次改訂版 ダウンロード

改訂の目的

・学習指導要領等の改訂を踏まえる。
・社会の大きな変化に伴う子供の食を取り巻く状況の変化に対応する。
・上記2点に基づきこれからの学校における食育の一層の推進を図る。

改訂のポイント

(1)食に関する資質・能力を踏まえた指導の目標の明示

現代的な諸課題に対応して求められる食に関する資質・能力や、学習指導要領における食育の位置付け・食に関する指導の目標を明示し、家庭、地域、学校相互間との連携の必要性を記載

① 現代的な諸課題に対応して求められる食に関する資質・能力 【第1章第4節】

平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策について」の提言を解説。
 「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力」の中の「健康・安全・食に関する資質・能力」として、食に関する資質・能力の考え方が示された。
 子供の姿や地域の実情を踏まえつつ、「自らの健康や食、安全の状況を適切に評価するとともに、必要な情報を収集し、健康で安全な生活や健全な食生活を実現するために何が必要かを考え、適切に意思決定し、行動するために必要な力を身に付けていること」などが指摘された。


② 学習指導要領における食育の位置付け・食に関する指導の目標【第1章第4節】

平成 29 年に告示された小学校、中学校、特別支援学校小・中学部の学習指導要領総則、平成 30 年に告示された高等学校の学習指導要領総則及び平成 31 年に告示された特別支援学校高等部学習指導要領総則の内容を解説。
 「学校における食育の推進」がこれまで以上に明確に位置付けられた。
 例えば、小学校及び中学校では、各教科、道徳科及び総合的な学習の時間などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることが示された。

【第1章第6節】
食に関する指導の目標として、学校教育活動全体を通して、食に関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指すことを明示。
(知識・技能)
食事の重要性や栄養バランス、食文化等についての理解を図り、健康で健全な食生活に関する知識や技能を身に付けるようにする。
(思考力・判断力・表現力等)
食生活や食の選択について、正しい知識・情報に基づき、自ら管理したり判断したりできる能力を養う。
(学びに向かう力・人間性等)
主体的に、自他の健康な食生活を実現しようとし、食や食文化、食料の生産等に関わる人々に対して感謝する心を育み、食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を養う。

③ 家庭、地域、学校相互間との連携【第2章第1節】

 学校において食育を進めるに当たっては、広く家庭や地域、学校相互間との連携を図りつつ食に関する指導を行うことが必要。
 新しい学習指導要領前文では「社会に開かれた教育課程の実現が重要となる」と述べられている。
 それぞれの学校において、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくことが求められる。

(2)「食に関する指導に係る全体計画」の作成の必要性と手順・内容

学校の「食に関する指導の目標」に基づいた食に関する指導に係る全体計画の作成の必要性と、全体計画作成の手順及び内容を記載

① 食に関する指導に係る全体計画の作成の必要性【第3章第1節】

食に関する指導の全体計画の作成については、学校給食法第 10 条に規定されているが、新たに、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校学習指導要領の総則に位置付けられた。教育課程の編成及び実施に当たっては、各分野における学校の全体計画等と関連付けながら、効果的な指導が行われるように留意するものとされている。
 学校の「食に関する指導の目標」に基づき、各学年では、どのような資質・能力を育成するのかを「各学年の食に関する指導の目標」で明らかにし、その目標を達成するために「食に関する指導」で、どの教科等でいつ、誰がどのように食に関する指導を行うのか、日常の給食指導ではどのように行うのか、肥満などの個別指導等をどう行うのかを計画する。
 「食に関する指導の全体計画」は、校長のリーダーシップの下に作成し、全教職員に共通理解され、確実に実施されることが必要。
 食育は、学校の取組だけでは目標達成できず、家庭や地域等との連携があって学校給食や食に関する授業が豊かなものになる。

② 全体計画作成の手順及び内容【第3章第2節及び第3節】

[手順]
 食に関する児童生徒の実態把握は、学校で実施している既存の「食に関する実態調査」や教師の観察などに基づいて「体力や学力」「健康状態や体格」「食習慣」「態度や意識」などの観点を整理して行う。
 実態把握を通して、児童生徒の課題を明らかにし、各学校が児童生徒に育成したい「食に関する指導の目標」を設定する。
[内容]
 全体計画①は、把握した実態や学校及び各学年の食に関する指導目標とともに、食育推進組織や食に関する指導の時間・内容の概要、食育推進の評価指標等を記載する。
 全体計画②は、月ごとに関連教科等の指導内容とともに、給食の時間の指導、個別的な相談指導等を記載する。
【第3章第5節】
 特別支援学校における食に関する指導は、児童生徒の障害の状態や特性、心身の発達段階等を十分考慮する必要がある。

(3)食に関する指導の内容の三体系と栄養教諭の役割

食に関する指導の内容を三体系化で示し、「教科等の時間における食に関する指導」「給食の時間における食に関する指導」「個別的な相談指導」における食に関する指導の内容や栄養教諭の役割を記載

① 教科等の時間における食に関する指導

[食に関する指導の内容] 【第4章第1節】
 各教科や外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動、自立活動といった学校の教育活動全体を通して行われることが必要。
 指導の実施においては、各教科等の特質によって食との関わりの程度が異なっていることに配慮する必要がある。
[栄養教諭の役割] 【第4章第2節】
 各教科等の「実践事例」において、ティームティーチングにおける栄養教諭の具体的な役割を例示。
 各教科等の「栄養教諭の関わり方」において、教材の作成等の具体的な方法や、地域の生産者等による食に関する指導への参画・協力を得るためのコーディネーターとしての役割を担うことを例示。

② 給食の時間における食に関する指導 【第5章第1節】

[食に関する指導の内容]
 学校給食は、健康の増進、体位の向上を図ることに加え、食に関する指導を効果的に進めるための重要な教材である。
 給食の時間では、準備から片付けの実践活動を通して、計画的・継続的な指導を行うことにより、児童生徒に望ましい食習慣と食に関する実践力を身に付けさせる。
 学校給食に地場産物を活用したり、郷土食や行事食を提供したりすることを通じ、地域の文化や伝統に対する理解と関心を深めるなど、高い教育効果が期待できる。
[栄養教諭の役割]
 給食の時間における食に関する指導は主として学級担任が行うが、栄養教諭が各教室に出向いて直接指導したり、資料提供したりすることで、具体的かつ実践的な指導になり、教育効果を上げることができる。
 給食指導において、栄養教諭は日頃から、給食の準備の様子、配食での衛生的な取り扱い、食事マナーの定着の様子、残食の状況などの実態把握に努め、教職員と共通理解の上、計画的・継続的な指導を行うことが必要。
 栄養教諭は、食に関する正しい知識をもち、地域の食文化や特産物等について情報を収集しデータとして整理しておくなど、学級担任等と連携した教材研究が日常的にできるよう努める。

③ 個別的な相談指導

[食に関する指導の内容] 【第6章第1節、第2節及び第5節】
 個別的な相談指導は、その課題の改善を目的として期間を決めて定期的、継続的に指導を進めることにより、対象の児童生徒の行動変容を促し、改善、あるいは、より良好な生活を行うための習慣を獲得できるようにする。
 個別的な相談指導の学校内の体制は、管理職のリーダーシップのもと、保健主事等が中心となり、定期的な協議の場を設定し、学級担任、栄養教諭、養護教諭等が連携する。
 児童生徒の食に関する問題は、家庭での食生活や生活習慣のほか、地域の特色と関係していることもあることから、家庭、地域の関係機関等(市区町村における健康関係部署や生涯学習関係部署、主治医や専門医等)との連携を図る。
 個別的な相談指導は、「目的・期間の決定」、「アセスメント(現状把握と課題の抽出)」、「個人目標の設定」、「相談指導計画」の作成、「相談指導の実施」、「再アセスメント」、「個人評価」などの PDCA の流れに沿って行う。
[栄養教諭の役割] 【第6章第4節】
 食に関する個別的な指導は、「児童生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる」栄養教諭が、栄養学等の専門知識に基づき中心となって取り組むものである。
 栄養教諭は養護教諭や学校医等との連携の要として取り組むことが重要。

(4)食育の評価に対する評価の充実

成果指標(アウトカム)と活動指標(アウトプット)の両方を設定し、総合的な評価につなげる食育の評価の基本的な考え方と実施方法を示し、評価から改善までの記載を充実

① 評価の基本的な考え方と実施方法 【第7章第1節】

 食育の推進に対する評価は、子供や子供を取り巻く環境の変化の評価と活動(実施)状況の評価とに分類できる。
 前者は、成果指標(アウトカム)の評価、後者は活動指標(アウトプット)の評価といい、成果指標、活動指標、両方とも次の食育計画の改善に必要。
 成果指標(アウトカム)と活動指標(アウトプット)の両方を設定し、総合的な評価につなげる。
【第7章第2節】
[成果指標]
 成果指標(アウトカム)の評価では、全体計画の作成時に設定した評価指標の目標値を基準に取組による変化を評価する。
 具体的な成果指標としては、子供の肥満度などの健康診断結果の変化や体力向上、生活習慣の改善、意識の変化などがある。
[活動指標]
 活動指標(アウトプット)の評価は、学校における食育の取組状況等を評価する。
 具体的な活動指標としては、食育指導実施率、食育指導の継続率、食育研修の回数などがある。

② 評価から改善 【第7章第4節】

評価結果を踏まえて、食育推進組織において次年度に向けての改善点を検討す
る。
 栄養教諭は、校長(食育推進組織の委員長)に客観的な評価資料を示し、具体的な改善点を相談した上で、全教職員で共通理解を図る。
 保護者や地域住民などにも適宜評価結果を公表し、相互理解を深め連携体制を改善・強化する。
 食に関する指導の報告では、評価の結果を示すだけではなく、指導計画と活動内容も示し、次年度の指導計画の改善案の提案を行う。

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